season's cake 033 1/1
『それでも恋はやってくる』
…さっき、振られた。
他に好きな人ができたんだって。
『ああ、そう』
答えた声は意外に冷えていたけど、
心の中までそうだと思うなよバカヤロウ。
あーあ…なんでこんな可愛い女の子を振るのかね?
「見る目なかったんじゃないの、お互いに」
ちょっと、お互いにって何?
どう話聞いたって、一方的に向こうが悪いでしょうが。
…澄ました顔してコーヒー飲んでないで、何とか言いなさいよ。
「お前らが付き合う前にも俺言ったよな。何でアイツなわけ?って。
お前本当に男を見る目ないよ」
…相談しに来て怒られてるあたしって何。
むしろ怒ってんのはあたしの方だっての。
どうしてあたしが振られるわけ?
どうしてあたしが悪いわけ?
先ずもって、どうしてあんたに怒られなきゃなんないわけ?
「お前さ…ニブイのも程々にしてくれる?」
ニブイって…あたし?
何よ、どうせあたしは彼氏の浮気に気づけなかったわよ。
ニブくて悪かったわねっ。
「とりあえずさ、次からはデートだとかは俺とすりゃいいから」
…は?
ええと…いきなり何言ってんのあんた?
「バカな子ほど可愛いとは良く言ったもんだよ、全く」
…。
バカって言われたけど、
そう言って笑ったあんたの顔があんまり優しかったから、あたしは何も言い返せなかった。
多分、一生の不覚って、こういうののことを言うんだと思う。
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