season's cake 079 1/1




『リトマス』


たとえば。
喧嘩の後、夜中にふと目を覚まして隣におまえがいなかったら、
眠気とか肌寒さなんてお構いなしで、俺はおまえを探すんだろう。
たとえば。
他愛ない会話に安らぎを感じた後で、
いつもは気にもしない一言に、カチンときたりもするんだろう。

声が聞きたくて、
でも顔は見たくなくて、
指を伸ばせば届くところで、
でも背中を向けていて欲しいとか。
矛盾しているようでその実簡単な想いは、
すべておまえを発端に、すべておまえに収束する。
それはとても不思議なようで、
俺にとっては、とてもとても当たり前な因果。

ただそこにいるだけなのに。
ただ触れられているだけなのに。

嬉しくも哀しくも、
変わらざるを得ない俺は、きっと。
おまえだけに反応する、ただそれだけのリトマス。




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