star sugar 016 1/5




ver.16.1


「色白だとさ、酔っぱらってほんのり赤くなったとこが妙に色っぽく見えていいよね」
「そういう話をシラフでしちゃえるアナタって凄いと思うわ」
 お代わりを頼んだグラスを待つ間というのは、どうも手持ち無沙汰でいけない。
 隣に座っているのが彼だというのも、どうもこそばゆくていけない。
「そう? 自分じゃ酔ってると思ってるけど」
「嘘よ、全然呑んでないじゃない」
 そう、それは嘘だ。
 彼の前にあるのは、カクテルとは名ばかりのフルーツジュース。
「いや、アルコールにじゃなくてね、」
「…その続きは“自分に”って言ってくれると気楽だけど」
 さり気なく触れてくるのを何気なくかわそうとして、けれど、私はどうやら失敗したらしい。
 触れた腕の、反発するような、受け入れるような――その柔らかさは、いったいどちらのもの?
「なんだ。気づいてるなら、いい加減に落ちてくれてもいいのに」
 無邪気を装って、でも全部知っているとでも言いたげな目が私を捉える。
 ――思いきって溶けてくれたら嬉しいけどね。
「…っ」
 耳元で続いた声の甘さに危うくくだけそうになった。
 ああ、やっぱり。
 ひとりで呑んでいる間は私だけが失態を演じそうだからと、意地を張っていたのはお見通しってわけね。


featuring 口説き文句バトン 『雪』




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