star sugar 017 3/5




ver.17.3


 ふとした拍子にふたりきりになった。
 気分が悪くなるくらいに心臓の動きがおかしくなった。
 震える指。
 喉元まで出かかる声。

 ああ私は今何を言おうとしているんだろう、
 いつもの場所でいつもの通り、
 何も変わりはないのに、ただふたりきりでいるというだけで。

 他愛無い話は私のうえをすり抜けていった。
 視界もなんだかかすんでいく気がした。
 過敏になった耳が友達の足音を聞き分ける。
 ――安堵さえおぼえる自分に、とても不思議な気持ちがした。

 痛いくらいの心臓の音と、まともに見れなかった彼の顔。
 初めて、これが恋というものなんだと知った日、
 自分がこんな風になるだなんて、私はちっとも想像していなかった。


BGM : 『初恋』




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