collabo 022 1/1




『まだ暑いのよ』


 暦の上では秋とは言え世間はまだまだ暑すぎる。
 RHAPSODY厨房では看板娘のあやちゃんがバニラアイスの種を泡立て器でかき混ぜていた。
「♪アーイスーはまーだまーだ売ーれるのよー。かーきまーぜるーのがーCHO→たーいへーん」
 鼻歌混じりにかき混ぜているが、あやの腕は種をかき混ぜすぎてパンパンに腫れ上がっていた。
 その様子をのんびりアイスティーをすすりながら眺めていた振袖美人が声をかけた。
「アイスはそンナにヘンタイですか」
「そーよーアイス大変よー。おいしいアイスを作るには種に空気を含ませなきゃいけないの。凍らせる時もただ冷凍庫に入れるんじゃなくて、専用の機械でかき混ぜながら凍らせなくちゃならないものー」
「ならワタクシの魔法でちょちょいと凍らせて差し上げまシょう」
 振袖美人は魔女が魔法を使う時のように、可愛らしい仕草で指を振った。
 そして振袖美人が用意したのはお持ち帰り用のドライアイスと業務用電動かき氷器。
「それでコレをどうするの?」
「コウするでス♪」
 振袖美人はかき氷器にドライアイスを突っ込むと、パワー最大ボタンを押してドライアイスをすべて削り切った。
 次はあやに厨房全部の窓をあけさせる。
「さぁ魔法は一瞬デス!」
 そう言うや否や振袖美人はアイスの種が入ったボールに、あろう事かドライアイスのかき氷を全て突っ込んだ!
 ボールからは冷たい白煙が床を這い、ボールの中では液状だった種が発泡しながら一気に凍結していく。
「きゃ〜スゴいスゴ〜い☆」
 一瞬にして出来上がったアイスクリームに、あやが無邪気に歓声をあげた。
 ちょうどいいタイミングで店のドアベルが涼しげな音をたてる。
「コーヒーフロート一つ…て流石?いないのか」
 店から聞こえて来るこの声は───
「マクシミリアンシュナイダー!
 あやたん、今スぐコーヒーフロートを!」
「あいあいちゃー☆」
 あやが出来たてアイスを使って手早くフロートを作る隣で、振袖美人は黒の振袖を脱ぎ捨て一瞬のうちに流石に化けた。

 この後所長の体がどうなったかは誰も知らない……


 -fin-


special thanks for 相沢友弘@【NEW WORLD(仮)】
copyright(c)2005 相沢友弘 all rights reserved.

二酸化炭素中毒や窒息・凍傷その他もろもろの危険度の高さにより封印された、
幻の“男の台所フューチャリングユニ様シリーズ”作品。
封印された伝説のレシピ「バニラアイス(結構危険)」より。




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