collabo 023 1/1
『希望の轍/真夏の果実』序章
その日は朝から雷雨の止まない嵐の日だった。
ビーカーの中でコポコポと気泡を立てる桃色と紫色の奇妙な液体。
「出来た……」
その怪し気な桃色と深紫を見て少女はニタリと笑った。
「私の研究が完成したのも博士の協力があったおかげです、ありがとうございました」
「いや、例には及ばん。君の研究題材は私も興味があったし、何よりその薬品が完成したのは君の努力と熱意の結果と言うものだ」
博士、と呼ばれた男が少女の方に振り向いた。
窓から雷光が差し込み男の掛けていた眼鏡に反射する。眼鏡の逆光によって男の表情こそ判らなかったものの、少女と少女の作った薬品同様怪し気である事は間違いなかった。
「後はこの薬品Aを対象者に飲ませれば私は……」
Aと名づけた桃色の薬品を掲げ、少女は堪え切れなくなったようにクツクツと笑い出す。その笑い声はだんだんと大きくなって部屋全体を支配した。
「ウフフフフ…アハハハハ……ア−ハハハハハハハハハ!!」
「フハハハハハハハハハ! 今夜はホームランだ!!」
「そうですね博士! ア−ハハハハハハハハハ!」
少女に釣られて高笑いをする博士に、少女はまた高笑いで答える。
苦労に苦労を重ねた研究が形になったという嬉しさも勿論あったが、この二人は薬品を完成させる為にここ何日か徹夜を重ねていた。精神的にもう限界だった。
「アーハハハハハハ、ア−ハハハハハハハハ!」
「フハッ、フハッ、フハハハハハハハハハハ!」
二人はもう何が可笑しいのかすらわからず笑い続けていた。
だから二人は気付かなかったのだ。
天井裏からジッと紫の薬品を狙う眼があった事を………。
to be continued...
桃色の薬品
の行く末を見る
深紫の薬品
の行く末を見る
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