collabo 038 2/2




「わからないのか!?」
「えぇ。何度も出入りしていながら、ココを出た先がドコなのかも最近知りマした」
 『某所』の事か……ゼノンはごくりと息を飲む。
「それは…この身体の作りが原始的な事と何か関係あるのか?」
「何故そんなふうに言い切れるのです? そんなに綺麗な御身体なのに」
「チェリルが言っていた。この身体は今の人間と違って魔力が一切存在しない原始的な身体だって。
 現にこの身体に入ってから俺は術関係が一切使えなくなってしまった」
 シェラサは足を止めずに、それでも大きく溜め息を付いた。
「そう、そんな事までワかってイルンですか…元の身体に戻ったら言葉を発セなくナルあなただったらお話してもイイかも知れませんね」
 一つだけ教えてアゲマス、とシェラサは言葉を続けた。
「その身体は大戦前───まだ世界が組み変わる前の生っ粋の古代人の身体です」
「じゃあ…俺達は古代に行こうとしているのか!? それにお前何度も行き来した事あるって…」

「そこから先はノーコメント。御想像におまかせします」

 その瞬間足場が急即に固定され、ゼノンのブーツが高い音を立てた。
 埃と死臭が交ざったような不快な匂いが辺りに充満している。
「つきまシタよ。もう目隠しも取って大丈夫デす」
 言われた通りにゼノンが目隠しを取ると、そこは何本も金属管が走る真っ暗な場所だった。
 クダの上には厚い埃が被っている。それは任務で屋敷に潜入する時、天井裏の雰囲気に良く似ていた。
 だから埃の匂いはわかる。だがこの死臭は一体…?
「あんまりその辺ウロウロセないでクダさいよー? マクシミリアンシュナイダーのお部屋の上にワタクシネズミーの死骸ガンバって集めて盛ったンですからー。ネズミーランドパラダイスー」
「やめなさいソレ腐るから! 下の方なんて腐って煮凝りみたいにドロドロになってるから!!」
「いーんですよどーせマクシミリアンシュナイダーですかラ」
 無茶苦茶な事を言いながらシェラサは足場のパネルを薄く開く。
 下の部屋ではシェラサに良く似た黒髪の男と、双子のようによく似た赤毛の青年二人が何やら相談中だった。
 それともう一つ───
「まずは南米大陸あたりから検索を掛けてみましょうか。それから赤道直下の国周辺を順番に探せばこの身体の身元が判明するはずよ」
 姿は見えないが、女言葉を操る低い男の声がする。
「ソの必要はありまソンよ」
 シェラサは下に届くように声をあげると、開きかけたプレートを全開にしてそこから滑り落ちた。
 ゼノンは自分も続くべきかオロオロしながら下の様子を眺めていると、シェラサが大声で声を掛けて来た。
「ほ〜らゼノンきゅん、あなたのお探しモノが見つカリましたヨ? 恥ずかしがらずに降りていらッシャい」
 恐らく下に降りれば28年馴れ親しんだあの身体が待っているのだろう。
 しかし、その近くにいる黒髪と赤毛の男達の視線が怖い。
 いまもこうして開いた天井穴からゼノンがでる様子をジッと見守っているのだ。
 その興味の視線が今のゼノンに取って恐怖以外の何物でもなかった。
 結局意を決してゼノンが天井から降りて来たのは5分後。
 それでも気恥ずかしさに負けてゼノンは小動物のようにシェラサの後ろに隠れるのであった。


 to be continued...


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