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「で? なんでわかったわけ?」
 目覚めていきなりそれですか。
「だーかーらー当てにならない勘が当たったと言ってるでしょうが」
 不服そうな顔だこと。
「疲れると泣くって? そういう女が過去にいたんだー?」
 眠ってる間は姫だったのに。
「何とでも言いなさい」

 買ってきたケーキは、うっかり廊下に放置していたためにクリームがだらしなく歪んでしまっていた。
 が、それを気にすることもなく、さらにすっかり真夜中である時間も気にすることなく真知はそれにフォークを突き刺した。
「あ、おまえさん寝言で雄二大好きよーって言ってた」
「ふうん」
 あら? 無反応?
 もちろん冗談だけどね、本当は雄二ありがとうって言ってたんだったか。
 できれば起きてる間に言って欲しんだけど、ありがとうじゃなくて大好きよ、の方をだね。
「何をブツブツ言ってるの?」
「うぬ、愛してるからわかったんだって思いまして」
 俺を見つめていた視線は、コーヒーメーカーがこぽこぽと湯気を上げているであろう辺りを見上げ、ぴたりと止まった。
 それから立ち上がると、専用のカップにそれを注いで俺の横へと置く。
「こんなに飲んだら眠れな……」
 言いかけた俺の顔を、妙に間近で覗き込んだ真知はにいーっと笑って今夜もまた俺の隙をついたのだった。
 ああ、また。
 また俺は言ってしまうのだ、この言葉を。


 …ぎゃふん。


 -fin-


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